さてさて、今回はちょっと難しい調整の依頼がありました。
依頼を受けたパターは量販店に持ち込んでかなり頑張って調整しようとしたけれど、曲げられず断念したというパター。
そのパターは YONEX の EZONE TP-F1C というパター。その昔はトライプリンシパルと言われていたパターだと思います。
最初にメールで問い合わせがあって、量販店でやってみたけど曲げられなかったのですが、曲げることはできますか?とのことでした。
YONEX の HP を検索して調べてみると素材は難敵の SUS431 という素材。この鋳造でよく出てくる SUS431 はとっても硬いステンレスです。
メールの返信でできないかもしれませんが、できなかった場合はお代はいただかないので送ってみてくださいと返信すると、お送りいただけることに。
そして到着した際に現状のライ角を計測すると、カタログ値は 68 度だったのですが、実測値は 67 度。
調整を始めてみるとやはりかなり硬い…。それでも様子を見ながら気合を入れてアップライトに。
最初のトライで 1.5 度の調整に成功。結果 68.5 度にできました。ただこれでは曲がりましたとは言いにくい状況だったのでもう一度…。
2回目のトライでは 1 度の調整ができ 69.5 度に。希望のライ角は72度だったのですが、これ以上はなかなか難しい状況だったのですが、3回目のトライで更に 0.5 度の調整ができて 70 度まで曲げることができました。
元々 72 度に調整したかったのですが、最低でも 70 度という希望があったので、元々のライ角 67 度を考えると 3 度動かせたのでこれ以上やるといきなり折れるなんて言うこともありそうなのでここで調整は終了させていただきました。
この状況をご説明し納得いただき無事返送となりました。SUS431、SUS304 あたりの鋳造ステンレスは硬いものが多いですね。
他でびくともしなかったということですので、3 度も動かせたのは大成功だと思います。
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